明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「日溜まり」で憂うつ気分を上手に癒しましょう!

 都心部で降雪のあったのが嘘のように、翌日からはまるで春の訪れのような暖かい陽気が続きました。最高温度が16度というのですから、4月中旬並みの暖かさ。北陸のスキー場では記録的な雪不足となり、いまだに閉鎖されたままのところもあります。南半球に日本が引っ越したのかと思うばかりの異常な暖冬です。

 

 

 やはり冬は冬らしく、雪国に正しく積雪をもたらし、都心部では冷たい北風に吹かれて、思わずコートの襟を立てて早足で立ち去る人々の姿がある方がいい。寒さに弱い方にとっては春が待ち遠しいところですが、一方で、冬らしい冷たい風に頬をなぶられるのを好む方もいらっしゃいます。どちらも、冬らしい季節感があってこその感覚だと思います。それが今年に限っては、まったく冬らしくない日々が続いています。日本だけに限った現象ではないのかもしれませんが、昨今の異常気象には辟易とさせられます。どうなってるんだ、地球は。

 

 

寒い日の「過ごし方」

 

 

 日本は古来から春夏秋冬それぞれの季節感があり、それが短歌や文学、絵画の題材にもなっています。でも地球の温室効果のせいなのでしょうか、必ずしも四季が不明確になりつうあるようです。寒いのは苦手な私でも、やはり冬らしい寒さがあった方がいいと思います。寒い日には、厚手のコートとマフラーを着用すれば、活動的になれます。真夏の炎天下では、照り付ける強烈な日差しの中でちょっと散歩や軽くジョギングを楽しもうという気にもなれません。でも寒い日には、暖かいダウンコートでも着込めば十分に寒さをしのげるので、軽い運動も出来ます。むしろ寒いくらいの陽気の方が、運動するには適しているのかもしれません。

 

 

 どんよりと曇り空の日が続くと、気分の上でも不健康になりがちです。その日の天気によって精神状態がかなり影響を受けるのです。その点では、冬はうつの傾向が再発する危険が高くなります。一日中、太陽が顔をのぞかせないと、何だか気持ちも冬眠中のカエルのように暗い穴の中に閉じこもってしまいそうです。そうさせないために効果的な方法があります。

 

 

 陽射しの強烈な夏には、木陰などに逃げ込みたくなります。それとは逆に、陽射しの少ない冬の日には、お日様の有難みを大いに感じるのです。お日様とはよくいったもので、本当に有難い存在です。植物や生物には欠かせないのは当然ですが、それ以外にも、精神面でも非常に大切な要素なのです。

 

 

 人間は誰しも体内時計があります。昼と夜の違いを感知するのも、日の光のお陰です。有名な実験があります。一切、日が射さない地下室のような密閉空間で生活していると、やがて被験者は日々、時間の感覚が狂い始めていき、やがては昼夜が逆転してしまう、というものです。これは人の体内時計がもともと狂いやすくできていて、一日が24時間なのに体内時計ではそれよりも1時間ほど多い25時間になっているのだそうです。体内時計の誤差を修正してくれるのが、お日様です。人は陽射しに体をさらさないと、どんどんと時間の感覚がおかしくなっていくのです。

 

 

 体内時計だけではありません。日光に当たらないでいると、気持ちも落ち込んでしまいます。だから梅雨の時期のように陽射しのない日が続くと、うつの方は症状が悪化してしまうことがあるのです。とはいえ、冬には毎日、カンカン照りということにはなりませんね。今年のような異常な暖冬では、燦燦とお日様が地表を温めて、春のような陽気が続くことになります。異常気象は困りますが、冬らしい寒い日でも、積雪の多い地方は別ですが、晴天の日は結構あるものです。そんな日には、ちょっと外出してみては如何でしょうか。

 

 

冬の「オアシス」とは

 

 

 防寒対策は万全にした上で、積極的に表に出てみましょう。そして、冬の日ならではの「オアシス」を探すのです。「オアシス」と言うのは、砂漠の楽園のことではありません。空気が乾燥して、よく晴れ渡った日中に、日当たりのよい公園などのベンチのことです。つまり、日溜まりです。寒い冬だからこそ、日溜まりの暖かさが心身ともに心地よく感じらるのです。

 

 

 とくに有名な公園や庭園に出かける必要はありません。街中のどこにでもある、ごく普通の公園のベンチで十分です。出来れば、植え込みに囲まれたような、直接北風に晒されないベンチがいいでしょう。そこでしばし日溜まりの中で過ごしましょう。お日様の温もりが気持ちよくて、思わず昼寝をしてしまいそうになるかもしれません。とても気持ちがいいと思うはずです。

 

 

 日溜まりで過ごすうちに、重苦しい気分もなくなり心が身軽になったような感覚になるはずです。しばし心身ともにリラックス出来れば、憂うつ気分などすっかり吹き飛んでしまうことでしょう。その時にあれこれ考えたりせずに、座禅を組んでいる時のように頭を空っぽします。本当に空っぽにすると後で少し困るかもしれませんが、ほぼ空っぽにしておけば、日頃の憂さなどは忘れてしまいますよ。

 

 

 皆さんもご自分だけの「秘密の花園」ならぬ「秘密の日溜まり」を探してみては如何ですか。猫は居心地のよい場所を探し当てる天才です。猫が庭先の植え込みの中でお昼寝タイムに入っていたりするのは、そこがその日見つけた特等席だからです。猫を見習うつもりで、皆さんもご自分が最も居心地よく過ごせる日溜まりを探しましょう。ただし、猫ちゃんの隣に寝そべるのは、あまり得策ではありません。不審者と間違えられる恐れがあるので、やめておきましょう。言うまでもありませんけれども…。