明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「ウォッカ」「ジン」は消毒用には使えないのか?

 国産のマスクがようやく出回るようになりましたが、薬局などの仕入れ数には限りがあり、すぐに売り切れてしまうようです。そのため開店時間前から長い列が出来るところもあるくらいです。

 マスクと同様に品薄なのが、消毒用アルコールです。実は手洗いだけでは、付着したウィルスなどの菌を完全に消し去ることは難しいのです。除菌するには、やはり消毒用アルコールが必要です。とくに免疫力の弱い小さなお子さんやご高齢者の方にとっては、消毒用アルコールは不可欠です。ウィルスを滅菌するために、どうしてもアルコールが欲しいのに、今すぐには手に入らない。さてどうすれば良いのでしょうか。

 

 

エタノール

 

 

 こんな蘊蓄は如何でしょう。私を含めて世の辛党の皆さんが日々、楽しまれているアレです。アルコールのことです。ウィスキーなどのアルコール飲料に含まれているのが、エタノールと呼ばれるアルコール分です。これには、素晴らしいことに殺菌作用があるのです。因みに、発酵の過程でアルコールが生成されますが、これを発酵エタノールと呼びます。美味しいお酒は、大体、発酵アルコールが含まれているものです。もうひとつ、合成エタノールというのもあり、こちらは文字通り、石油から出来るエチレンを原料とするアルコールのことです。どちらももちろん、飲むことが出来る上に、殺菌効果もあるのですから、素晴らしいではありませんか。

 

 

 エタノールを水で薄めたものを消毒液として使用することは可能です。その逆に、エタノールを水で割った総毒液ならば飲むことも出来ます。ただし、当然ながら美味しいものではありません。また飲料できない種類のアルコールが含まれている場合もあるので、ちょっと酒を切らしたからと言って、消毒用アルコールの水割りなんかを飲まないで下さいね。もっとも、今やその消毒用アルコールが不足しているわけですから、わざわざ残り少ないストックの中から美味しくないアルコールを飲むはずもありませんね。

 

 

 時代劇などで刀瑕に焼酎を吹きかける場面がありますね。西部劇でも傷口から銃弾を取り除くために、殺菌するためにウィスキーを掛けたりする場面があります。あれは演出などではなく、実際に当時は手術の時に傷口を消毒するのにアルコール飲料を使用していたのです。三船敏郎演じる赤ひげ先生が手術する時に傷口に焼酎を掛けると患者は飛び上がらんばかりに悲鳴を上げるのは、それだけ滅菌効果が高いからです。すでに傷口から雑菌が侵入しているところに焼酎のアルコール分が注がれると当然、しみます。それで「ひぇ~!」と大の男が悲鳴を上げるのです。

 

 

 越乃寒梅がいいとか、沖縄の泡盛が最高だとか辛党の方々にはそれぞれお好みのお酒があります。私はスコッチウィスキーが大好きです。もちろん、ビールも飲むし、日本酒も飲みます。赤白のワインも飲みます。要するに、お酒なら大概のものは喜んで飲んでいます。「呑兵衛」という言葉のとおり、お酒とつくものは何でも飲むわけです。

 

 

ヨードチンキの香り

 

 

 ひと頃、ウィスキーブームがありました。ブレンデッドではない、シングルモルトのウィスキーが流行りました。かくいう、私も生意気にもいっぱしのウィスキー党を名乗って、やれどこそこのシングルモルトがうまいなどと言っていました。ウィスキー好きには、主にバーボン派とスコッチ派があります。中でも好んで飲んでいたのが、スコッチの中でも、アイレー系のものです。「アードベック」などがその代表です。このウィスキーは口に含むと、独特の強いアルコール臭がします。お医者さんが喉の腫れに苦い黄色い液体を脱脂綿に湿らせて塗り付ける、あれの香りに似ています。ヨードチンキ臭いウィスキーなのです。初めて飲んだ時には、あまりのクセの強さに思わず顔をしかめましたが、飲み進めるうちにすっかりあの独特の香りに慣れ親しんでしまい、大好きな酒になりました。

 

 

 ウィスキー談義のついでに、もうひとつ。アイレー系だと思いますが、スカイ島というのがあって、そこの蒸留所で製造される「タリスカー」もまたヨードチンキの香りがします。一時期、このタリスカーにはまって、ボトルキープしていたものです。

 

 

 ヨードチンキの匂いのウィスキーですから、殺菌作用は大いに期待できそうですね。もしアードベックがあったら、そちらもいいでしょう。ジンもアルコールそのものの強い香りがします。これも消毒に使えそうですね。

 

 

 アルコールの度数が高いほど殺菌効果が高くなります。ならば、ウォッカが一番ではないでしょうか。もっとも度数の高いものは、「スピリタス」というウォッカで何と96度もあります。ほとんどアルコールそのものです。これなら、下手な消毒液よりも効果がありそうですね。

 

 

 消毒用アルコールがないとお嘆きの奥様がいらっしゃったら、ご主人のウィスキーをちょっと拝借して、消毒用に利用しましょう。ただし、ウィスキーのアルコール度数は45,6度とさほど高くありません。日本酒などはさらに低くなります。滅菌効果が十分に発揮されるアルコール度数は60度以上といいますから、消毒用アルコールが底をついた時の代用品として利用するようにしましょう。じゃないと、ご主人の大切なウィスキーが知らない間に無くなっていたとあとで騒動になるかもしれません。家庭争議の原因にならないように気を付けましょうね。