明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

世渡りのお上手な「中居くん」には敵いませんねぇ!

 結局のところ、処世術に長けた人には敵わないということなのでしょうか。21日に元SMAP中居正広が行った、ジャニーズ事務所の退所会見。

 通常、この手の会見は事務所内に記者を集めて行うのが慣例ですが、今回は、テレビ朝日の局内でした。さっそく夕刊紙はそのあたりの”深謀遠慮”の裏事情について書き立てました。

 東スポの記事によれば、中居くんがMCを務めるテレ朝の番組が時間枠の拡大になることに義理立てしたためだったそうです。その真偽のほどはわかりませんが、国民的アイドルとまで言われたSMAPが突然、解散宣言した後に、各人が必死に生き残りを賭けて戦ってきたことは事実です。

 

 

 香取慎吾、草彅剛、稲垣吾郎の三名はデビュー当時よりSMAPのマネージメント担当の飯島三智女史を頼って、ジャニーズ事務所から独立したことはご承知の通りです。その後、各テレビ局に対して強い発言力がある同事務所から直接、飯島氏を支持するなとの圧力を掛けた疑いがあるとして、公正取引委員会から「注意」を受けた旨、報じられました。

 

 

 ジャニーズに限らず、この種の陰湿な妨害は、実は、今回に限ったことではありません。敢えて実例を挙げませんが、元SMAPの三人が被った「妨害工作」のような目に遭った、有名歌手や俳優、女優はたくさんいるのです。そうした芸能界、テレビ業界の悪しき慣例が明らかにされたのは、異例のことです。

 

 

 ひと頃「忖度」という言葉が流行しましたが、ギョーカイ人の間では昔から常に”忖度”しながら仕事をしてきたのです。

 

 

「テレビ局は大手芸能プロダクションとの良好な関係なしではキャスティングひとつ出来ません。中でも、ジャニーズ事務所は所属タレントをどの局のどの番組に振り分けるか、プロデューサー以上に権限があるのです。何しろジャニーズのアイドルなしでは番組は成り立たたないのですから。

 ただし、SMAPに関してはジャニーズのトップといえども例の飯島女史の承諾なしでは起用出来ませんでした。いわば、”治外法権”のような存在です。でも、グループが解散し飯島氏が事務所から追い出されてからは、状況が一変。香取らの独立三人組ももはや”一介のタレント”に過ぎません。いつまでも飯島氏にお伺いを立ててまで、彼らを起用する価値はなくなったのです」

 と、民放局の幹部氏が芸能界の特殊事情について明かしてくれました。

 

 

 飯島氏が新たに立ち上げた「CULLEN」という芸能プロに香取ら三名の独立組が所属することになり、彼らは「新しい地図」というグループとして芸能活動を再開しました。

 公取からの「注意」があったことで、テレビ局側では徐々に彼らを番組に起用するようになりました。とはいえ、ナレーションのみ等、まだまだ地上波放送の仕事は限定的です。

 

 

 昨年の大晦日にOAされた日テレの『笑ってはいけない』では、お笑い芸人たちと横並びの扱い、”汚れ”役も厭わずに出演していました。トップグループのSMAP時代には、到底、考えられないことです。

 仕事を選り好みすることなど許されないほど、今、彼ら三人は生き残れるか否かの瀬戸際に立たされているのです。たとえ「妨害」がなくても、すぐにでも「新しい地図」の面々を大々的に起用しようということにはなりません。それほど芸能界は生存競争の激しいところなのです。

 

 

 今回の会見で中居は、ジャニーズ事務所のトップだった、昨年7月に死去したジャニー喜多川氏への恩義からグループ解散時に独立しなかった旨、語りましたが、SMAPの再結成の可能性については否定しませんでした。当日、集まった記者の一番の関心事はこの件に他なりません。そこに”含み”を持たせた発言をした中居は、なかなかの策略家とお見受けしました。

 

 

 さらに、独立後も事務所との連携をとり続けることを内外にアピールすることも忘れません。もしも飯島氏率いる芸能プロへの合流を臭わせたら、たちまちジャニーズとの関係は断絶していたに違いありません。そうはせずに、当面は、中居の設立した個人事務所で活動していくと話したのです。

 

 

 中居は、記者からの質問に真摯に答え、記者が聞き出したい発言を繰り返すことを忘れずに、終始にこやかな表情で会見に臨んだのです。時としてこの手の会見では、記者から厳しい質問を浴びせられて不機嫌になったり、不貞腐れた態度をとって、まともに答えない芸能人が多いものです。

 

 

 中居は芸能記者と友好な関係を保とうとし、その上、ジャニーズ事務所との力関係もイーブンにしようという意思も明確に示したのです。というのも、グループから独立した三人組とのパイプを持つのは中居しかいないため、グループ再結成を実現させるには中居の存在はジャニーズにとっても切り離せないという事情があるからです。

 

 

 2時間もの長丁場の会見となりましたが、中居はその場で、これ以上望めないほどに上手に立ち回りました。いやはや、中居くんほどの世渡り上手な人間には、とても敵いませんね。結局のところ、仕事のフィールドや分野の違いこそあれ、中居くんならどの世界でもしぶとく生き残るに違いありません。