明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「首相会見」は十分に傾聴すべき内容でしたか?

 一国の首相が国民に向けて、現状と今後の方針、方策について真摯に説明する。民主義国家ならではの光景です。

 2月29日の夕刻に、安倍総理は危急の課題である「新型コロナウィルス」の感染を阻止するため、会見を開いて政府が今後取り組むべき課題について国民に語り掛けました。

 

 

「緊急事態」に

 

 

 ここ1週間あまりの間に、総理は政権内のコンセンサスより先に次々と方針を発表しました。この1、2週間が新型ウィルスの感染拡大を食い止められるか否かの瀬戸際であるとし、国公立の小中高校を休校にするよう要請したり、大人数の集まる文化、スポーツイベントの中止や延期の申し入れを行い、企業にも時差出勤やテレワークを求めました。当然ながら、突然の申し入れに、関係各所は対応を迫られました。その結果、各自治体で対応の差はありますが、基本的に卒業式は中止となったのです。

 

 

 学校生活の総括でもある卒業式を取りやめるのは、一生の思い出を奪うことにもなり、あまりにも酷ではないかと、以前にこのブログでお話しました。しかしパンデミックの瀬戸際に立たされた日本の現状を考えると、ひとつ対応を誤れば、多くの国民の生命が危険に晒されかねません。また、東京五輪の開催年という極めて重要な時に、その開催すら危ぶまれる事態となれば、日本経済は壊滅的な打撃を被ることになります。それこそ一大事です。

 

 

 最悪の事態を何としても回避しなくてはならないとの思いから、安倍総理の表情には悲壮感がありました。政府としてやれるべきことは躊躇なくやる、との首相の言葉には説得力が感じられました。

 

 

 政策の決定までには通常、政権内の意見調整を始めとして、野党の合意も得る必要もあり、相応の時間を要します。しかし、現状のウィルス蔓延を防止するためには、何よりも素早い意思決定が不可欠です。1、2週間が勝負ともなれば、総理のトップダウンによる政策決定もやむ得ません。ああだ、こうだと議論している暇はないのです。

 

 

 今は何よりもスピーディな対応が不可欠です。北海道知事が非常事態を宣言したように、日本全国が「非常事態」に陥っているといっても過言ではありません。以前、東国原元宮崎県知事が話した「どげんかせんといかん!」という方言が流行語になりましたが、今こそ、日本国と日本人を守るために「何とかしないといけない」危急の状況なのです。

 

 

野党の「批判」

 

 

 「施策の内容や国民へのメッセージに新味はなく、大変残念だ」と立件民主党の逢坂政調会長はさっそく首相の会見内容について批判しました。また、国民民主党玉木雄一郎代表もツイッターに「新しい話がない。国民はもっと具体的な話を聞きたかったはず」と書き込みました。新味がないと感じたとしたら、一体、最近の安倍総理が矢継ぎ早に打ち出してきた方策をどうみていたというのでしょうか。

 

 

 ここ2週間余りが瀬戸際と明確に時期を示した上で、その間、小中高校を休校にするよう要請するという思い切った手段に出たではありませんか。”英断”というのは少々大げさかもしれませんが、そうした総理の決断について、今回、国民に向けて説明するために会見を開いたのです。大いに新味があると思いますし、具体的な話を詰めてから政策を発表するという通常のやりかたではなく、とにかく一刻の猶予のない状況に即座に対処するために敢えて先に表明したわけです。

 少なくとも、今回の安倍首相の会見は、十分に傾聴すべき内容だと思いました。

 

 

 相も変わらず、何でも反対するという野党の旧態依然とした体質が今回、あらためて浮き彫りになった形です。批判するのは自由ですが、それでは安倍首相が次々と新しい政策を打ち出してきたこの間に、一体、野党の皆さんはどうしていたのでしょうか。総理よりもさらに優れた代案を提供しましたか。「新味のある」「具体的な話」をしたというのですか。はて、そんな話は聞いておりませんが…。

 

 

 安倍晋三首相は憲政史上最長の在任日数になりましたが、当然、毀誉褒貶あります。中には、ただ長期政権はけしからんとして批判したり、人柄が好きになれないなどといった感情的な意見もあります。誰でも好き嫌いはあるもの。安倍の顔を見るのも嫌だというご意見も、感情論には違いありませんが、「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」という第16代アメリカ大統領、エイブラハム・リンカーンの名言もあります。

 リンカーンが閣僚を選任する際に、顔が気に入らないとして、推薦された有力者を退けたと言われています。安倍晋三氏はとっくに40歳を過ぎているのですから、顔が気に入らないと言われることについては、多少は責任を感じる必要はあるのかもしれませんね。

 

 

 しかし、この非常時に顔の好き嫌いを言っている場合ではありません。日本人はとかく感情に流されやすいと言われますが、総理の顔が好みのタイプではなかったとしても、今は目をつぶってあげてください。安倍晋三さんと所帯を持つわけではないのですから。