明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

突然に「黒毛和牛」が送られてきたら驚きますよね?

 ある日突然、黒毛和牛がクール宅急便で届いたら、皆さんはどう思われますか?最初、宛先違いなどで誤配されてきたのかなと思い、あらためて見たところ、間違いなく私宛でした。送り主はサントリー。やや、これは景品か何かが送られてきたものかもしれないと納得した次第です。

 

 

「ステーキ」なプレゼント

 

 

 新型ウィルスの感染が恐くて、スーパーに買い出しに行くことも躊躇するほどピリピリしていたところに、思わぬプレゼントをいただきました。それも国産のA5ランク黒毛和牛です。当然、今日の夕食はステーキに決まりました。有難いことです。只でこんな高級和牛が食べられるなんて、夢のようです。

 

 

 いや、でも待てよ。最近、詐欺の手口が巧妙化してきて、プレゼント詐欺というのも聞いたことがあります。プレゼントを装い、勝手に送り付けてきて、あとで高額な請求書が舞い込んでこないとも限りません。そう考えると、急速に夢がしぼんでいきました。

 

 

 仕事から戻った妻にこの件について、訊いてみたところ、どうやら妻がサントリープレミアムモルツを購入した際に、抽選でプレゼントが当たる応募葉書があったので、試しに投函したと言います。

 

「一週間ほど前に『ご当選のお知らせ』という手紙が来て、お届け希望日を記入する手紙が同封されていたの。くじ運のない私たちによく当たったわね。奇跡ね。でもあなたに言い忘れていたから、びっくりしたでしょうね」

 

 ええ、確かに。聞けば、これまでも何度か応募したことがあったそうです。でも当たった試しがなかったとのことです。それが今回、応募した当人も忘れた頃に、突然の当選の知らせが届いたわけです。

 

 

「夢」を買うこと

 

 

 言われてみれば確かに、これまで宝くじはもちろんのこと、プレゼントの抽選に当選したことなどほとんどありませんでした。宝くじは当選することが目的ではなく、抽選後に当選番号と照らし合わせるまでの「夢」を買うものだと考えています。夢を見るのは誰にでも出来ますし、もし当選したらああしよう、こうしようと想像するのも自由です。

 

 

 昨今、ロトやナンバーズ、スポーツくじビッグ等、多種多様になりました。それにともない、賞金金額も高額化の傾向にあります。ロトなどでは当選者が出なければ、次回にキャリーオーバーして10億円を超える超高額賞金もめずらしくありません。今や宝くじはギャンブルの一種のようになりつつあるようです。

 

 

 宝くじが競馬や競艇、競輪のようになっていくのは、残念なことですね。当選発表日までのわくわくした気分が楽しいのに、馬券のように手堅く枠買いしようとかテクニカルな面がフィーチャーされるのでは、あまりにも現実的過ぎて「夢」がありません。もちろん、ギャンブルも一攫千金を狙うという夢があるではないかとの反論もあるでしょうけれども、本来、宝くじには博打とは違う、想像力をかき立てる”何か”があるような気がするのです。

 

 

 もしも「あなたには夢がありますか?」と尋ねられたら、どうでしょうか。中には、何をいまさら、下らんことをきくな!と怒り出す方もいるかもしれません。夢などは女子供が見るもんだと決め込む御仁もいらっしゃることでしょう。それはそれで構いません。夢は子供時代に見るもので、大人になったらいつまでも夢なんかみていられない、というのも正論には違いありません。でも、いくつになっても少年少女のような素敵な夢が持ち続けられたら、素晴らしいではありませんか。夢のない大人になるよりも、夢見る大人になりたいものです。

 

 

 仏教の基本的な考え方に、輪廻転生があります。人は何度も生きては死ぬことを繰り返すという概念です。今、私たちが生きているこの世は、来世が訪れる前の刹那に過ぎないのかもしれません。人の一生は一瞬の夢のようなもの。人はその限られた時間の中で喜怒哀楽を感じ、やがて消えていきます。夢ぐらい見てもいいではありませんか。この世そのものが夢なのかもしれないのですから。

 

 

 少し前に馬券代が必要経費として認められることが話題になりました。それならば、宝くじの購入代金も必要経費に計上できないのか、というのもごもっともなご意見です。むろん、認められるはずもありません。税金対策用に宝くじを購入するなんて、なんと夢のない行為でしょう。税金対策にならない宝くじには、その代わりに「夢」が付いてくるのです。私たちはその夢を買うためにチャンスセンターを訪れるのです。

 

 

 さて、めずらしく”当選”して、気前の良いサントリーさんから高級和牛をプレゼントされました。おいしいステーキを堪能出来ました。美味しい物を食べると幸せな気分になれます。よく演歌に「悲しい酒」という歌詞がありますが、飛び切り上等な燗酒をちびちびやれば、悲しい気持ちもしだいに和らぐはずです。ずっと悲しいままだったとしたら、あまり美味しくないお酒なのでしょう。

 

 

 誕生会で「パッピーバースデイ」を歌いながら生クリームがたっぷりと乗ったケーキを皆で囲むのは、美味しいケーキを食べてハッピーになりたいからだと思います。サントリーさんからのプレゼントのお陰で我が家はハッピーな気分になりました。

 

 

 宝くじは一等の何億円の賞金は当たらなくても、たとえ1000円でも1万円でも当たれば、ハッピーになれます。金額の多寡が重要ではないのです。有楽町の宝くじ売り場は、最も一等の当選数が多いからと意気込んで出かけるのも悪くはありませんが、案外、当選を引き当てるには、発表の日にちも忘れるくらい”自然体”に構える方がいいような気がします。あまり勇み立つと「夢」は遠ざかってしまうかもしれませんよ。