明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「ステイ・ホーム」黄金週間をシュールに過ごす方法とは?

 多忙な日々を過ごすビジネスマンが週末になって、自宅に籠って映画や音楽鑑賞三昧に明け暮れるというのならば、まだ理解できますが、すでに在宅勤務で毎日、自宅の一室でパソコンとの格闘を余儀なくされている会社員の皆様には、何と”つれない”言葉なことか。「ステイ・ホーム」。

 

 

「ステイ・ホーム」黄金週間

 

 

 安倍総理小池都知事が繰り返しこの言葉を連呼しているので、もう耳にタコができてしまいました。日本のビジネス戦士にとって最大の憩いの時間を過ごせるはずのゴールデンウィーク。でも今年は「おあずけ」ではありませんが、せっかくのホリディ・ウィークに「ステイ・ホーム」しなければなりません。

 

 

 気の早い(失礼!)企業では、今週の月曜日から自粛期間終了の5月6日までの実に16日間を「黄金週間」休みにするそうです。まるで長期休暇を取得させる欧米の一流企業と見紛うばかりです。でも今年の実情はまったく異なります。滅多にないロングバケーションでも私たちは、不要不急の外出を避けるために極力、自宅で過ごすことを求められているのです。

 

 

 大阪府は特措法に基づき、営業自粛要請に応じないパチンコ店についてその店名を公表しました。”無法者”の実名を世間に晒したわけですが、あに図らんや、それらのパチンコ店にはより大勢のパチンカーが殺到し、店は大繁盛とのこと。これでは、まるで逆効果ではありませんか。

 

 

 他府県から遠征してきたパチンカーは、自分たちの行動がどれほど恥さらしなのか、ご存知ないようです。もしもそのホールからクラスターが発生したら、どうするのですか。人々の生命をも危険に晒しかねない、彼らの無責任な行動には、腹が立って仕方がありません。

 

 

 運動不足を解消するために、散歩やウォーキングすることは認められていますが、無条件ではありません。外出自粛の目的とは、人との接触を極力避けることにあります。いくらウォーキングやジョギングがいいからといって、仲間と示し合わせて一緒に走るというのは、三密のうちの「密接」にあたる行為になります。あくまでも、一人ないし二人の少人数で淡々と行いましょう。

 

 

 最近、新たに問題となっているのが、食材などの生活必需品を買うために、スーパーには大勢の買い物客が集中し、「密接」が起きている点です。外出する機会だからといって、一家総出でスーパーに出向くケースが目立ちます。言うまでもありませんが、スーパーは遊園地ではないのです。混雑した店内では感染の危険性が高くなりますから、お子様を連れてくるのは止しましょう。すでに三密の起こらないように、入店制限に踏み切った店舗も見受けられます。ついでにお子様の入店を制限すべきです。

 小池知事も買い物は3日に一度くらいにして、店舗に人が集中しないようにと呼びかけています。買い物の仕方まで行政が指導しなけばならないなんて、恥ずかしいことですね。

 

 

「シュール」に過ごす

 

 

 例年にない「長期休暇」にどこへも出かけず、じっと家の中で過ごすこと。考えてみれば、こんな”貴重な”体験はそう出来るものではありません。運動不足は気にはなりますが、ネットの動画に室内で出来る簡単エクササイズはいくらでもありますから、それらを参考にして、適度に体を動かしましょう。

 

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 さて、その他、有り余った時間をどう過ごすかが問題です。日頃の睡眠不足を解消するのには、1日たっぷり寝れば済むことですし、この際、勉強に励もうと言っても、レジャーもなしに勉強ばかりでは、恐らく3日ともちますまい。

 

 

 「コロナ禍」以前には、ウィークデイにバリバリと働き(そうでもない人もいるかもしれませんが)、休日には思い切り、レジャーを楽しむことが出来ました。アウトドア派は、海に山に出かけて行き、インドア派の方も美術館巡りや映画館やライブハウスなどで絵画や映画、音楽鑑賞に勤しみました。でも今年はそれが出来ないのです。

 

 

 外界との接触を断ち、自宅というサンクチュアリに身を置いていれば、確かに新型ウィルスの危険を遠ざけることは出来るでしょう。でも、アダムとイブ以来、ヒトは常に”危険”な外界に刺激を求めます。いくら危険は少ないとはいえ、自宅という日常そのものにいるだけでは、却って精神衛生上、良くありません。

 

 

 自宅という「閉じられた空間」。そこで一週間余りかそれ以上を過ごせというのです。当然、いつもの日常では、さほどの刺激は期待できません。インドア、アウトドアに限らずレジャーには、日常から離れて非日常の世界に浸ることに意味があるのです。「ステイ・ホーム」週間がいよいよスタートします。さて、日常という呪縛の中で、私たちはどう過ごせば良いのでしょうか。

 

 

 こんなのは如何ですか。ユートピアとは逆のデストピア、即ち暗黒郷の世界に浸ることです。不条理文学の傑作と言われるカミュの『ペスト』が今、再び読まれるようになったと先日のブログでお話しましたが、現在の「新型コロナ禍」もあの作品の世界観に近いものがあるのかもしれません。

 わざわざそんな「ネクラ」な本を読まずとも良いのではないかとも思うのですが、視点を変えてみれば、先の見えない不安の中にいる今だからこそ、デストピアの世界を疑似体験してみるのも一興かもしれません。

 

 

 SF映画の金字塔と賞せられる『2001年宇宙の旅』の監督として知られる、スタンリー・キューブリックがそれより以前に撮った『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』もこの「ステイ・ホーム」週間に鑑賞するのに、お勧めします。

 

 

 米ソの冷戦時代を皮肉った作品ですが、この監督特有の強烈なブラックユーモアには、笑わされるというよりは安穏とした私たちの日常に突然、冷や水を浴びせられたような気持ちになります。

 

 

 発狂した米軍司令官の暴走により、あと数分で地球上の全人類が核爆弾により滅亡するという刹那、冷静さを装おうとする米大統領ウォッカの飲み過ぎで酔っぱらったソ連の大統領がとんちんかんの会話を交わす。タカ派の米軍の最高司令官が地球滅亡の危機を目前としながらも愛人からの電話で愛を囁きあう。そして、元ナチスの科学者、ドクターストレンジラブ氏が、滅亡後の核シェルターでの男女の生殖について楽し気に語るという狂気。

 

 

 核戦争ではないものの、新型コロナウィルスは極めて微小な菌と人類との「戦争」です。今、感染が拡大中のコロナウィルスが今後、突然変異してまた新たな新型ウィルスに変身する可能性も十分に考えられます。

 

 

 複数の型の新型ウィルスが同時期に世界中でパンデミックを引き起こした時、米国や中国、ロシアなどは、密かに有事の為に準備していた「シェルター」に政府の要人らが逃げ込むかもしれません。『博士の異常の愛情』に登場する、楽し気にデストピアの未来を語る「ドクターストレンジラブ氏」もその中に加わることでしょう。

 

 

 退屈な「ステイ・ホーム」黄金週間をシュールに過ごすと言うのも、なかなか刺激的な体験になるかもしれません。それともハッピーエンドが約束されているディズニー映画にしておきますか。