明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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「新型コロナ禍」で人類は「淘汰」されるかもしれません!

 政府は専門家会議の提言を受けて、非常事態宣言の期限を今月31日まで延長する方針を固めました。対象地域は引き続き全国としながらも、東京など特に感染者数の多い「特定警戒都道府県」以外では、段階的に「自粛緩和」し、経済活動を再開させるとのことですが、東京、神奈川、千葉、埼玉など7都府県に、北海道、茨城県、石川県、岐阜県など加えて、計13都道府県は従来どおりの「制限」が設けられます。

 

 

 日本経済の中心地である首都圏の「自粛」が解かれなければ、経済活動を再開させることは不可能です。要するに、一か月間の「自粛」で国民の忍耐もそろそろ限界が近づきつつあるので、少しだけ手綱を緩めるポーズをしたわけです。

 

 

 延期の期限が今月いっぱいですから、まだまだ私たちは「自宅待機」の不自由な生活を続けなければなりません。あとひと月です。でも本当に来月1日から晴れて「自粛生活」から解放されるのでしょうか。その頃には、「新型コロナ肺炎」は収束しているでしょうか。

 

 

「収束」はせず

 

 

 米国の製薬会社がエボラ出血熱の治療薬として開発した「レムデシビル」が日本でも特例認証され、初の「新型コロナ肺炎」の治療薬として使用される見込みとなりました。しかし、同薬は重症患者に一定の効果が見られただけで、決して「特効薬」ではありません。一日も早く”本物”の「特効薬」が開発されることを祈るのみです。

 

 

 緊急事態宣言にはどこか物々しい響きがありますが、実際には、諸外国のような罰則規定もなく、あくまでも「要請」です。一部の”無法者”パチンコ店を除けば、ほとんどの日本人は「要請」に従っています。その結果、このゴールデンウィーク期間もターミナル駅にはほとんど人影もまばらな状態ですし、原宿の竹下通りや浅草の雷門などの有名観光地も閑散としています。

 

 

 繰り返し「人と人との接触を8割削減すること」を要請した甲斐あって、かなりの成果が現れました。でも、それによって感染拡大が収束したかといえば、残念ながら、専門家会議の尾身副座長が指摘しているように、期待したほどの効果は得られませんでした。

 

 

 おい、ちょっと待ってくれ。この一か月間、「自宅に缶詰」状態になって我慢していたのに、残念すぎる結果ではありませんか。でもその間もろくに休養もとれずに日夜、感染症患者に対応している医療関係者の献身的努力を考えれば、健康体の私たちが暇を持て余すくらいのことで不平不満を言うわけにはいきませんね。

 

 

人類の「淘汰」

 

 

 物事には必ず悲観論と楽観論があるものですが、どうやら「コロナ禍」に関しては悲観論に軍配が上がりそうです。もしも明日にでもこの新型ウィルスに絶大なる効果がある「新型ワクチン」が開発されれば話は別ですが、この”中国のウィルス”は一筋縄ではいきそうにありません。潜伏期間が長く、急激に症状が悪化したり、あるいはまた、無症状のままで「濃厚接触者」を出してしまったりと、実に厄介な病原菌です。

 

 

 実際、「濃厚接触」の定義が、発症する2日前までの接触に変更されたように、いつどこで感染するかもしれないという不安感が付きまといます。免疫力があり、菌に対する抵抗力の強い人ならば、たとえ感染しても無症状のままで発症せずに収まるケースもあります。そういう人はもともと「抗体」を持っている方です。専門家の中には、今回の新型コロナ肺炎は一度、感染して抗体が出来れば大丈夫だと指摘する意見もあります。

 

 

 また別の専門家は、全世界に新型ウィルスが蔓延して全人類が「抗体」を持つようになった時に、初めてこの「コロナ禍」は終息するであろうと述べています。ということは、つまり、抗体の出来た人だけが生き延びることが出来るということです。むろん、それまでに「特効薬」となるワクチンが開発されれば良いのですが、果たしてどうなるでしょうか。

 

 

 安倍総理が会見の中で、緊急事態宣言の延長をひと月程度とし、状況如何により再延長もあり得ることを示唆しましたが、何だか嫌な予感がします。一度ならず二度、三度の期間延長となれば、一体、この国はどうなってしまうのでしょうか。外食産業や旅行業などすでに悪影響を受けている業種以外にも、日本の産業全体にも大きな打撃となることは間違いありません。

 

 

 「宣言」を発令した第一の目的は、急激な感染拡大により医療機関が機能不全に陥るといういわゆる「医療崩壊」を防ぐことです。言い換えれば、これ以上の感染を抑えることがメインであって、「新型コロナ肺炎」を根絶するための「宣言」ではないのです。

 

 

 2020年は本来ならば東京オリンピックが開催される記念すべき年になるはずでした。が、新型コロナ肺炎の蔓延のため、開催が1年後に延期となりました。森会長は例の断定口調で、1年後の開催延期は絶対にないと力説していますが、果たしてそうでしょうか。学者の中には、新型コロナのパンデミックが収束するには少なくとも2年以上は掛かるという見方もあります。

 

 

 2年後にたとえ「コロナ禍」を収束したとしても、日本経済はそれまで持ちこたえることが出来るでしょうか。それ以上に懸念されるべきは、世界中の人々の中に果たしてどれくらいの割合で「抗体」を持つ人がいるか、です。結局、一度感染して(感染しない人はいないかもしれません)、そして「抗体」が出来るというプロセスに耐えられる人だけが生き残れるのです。「コロナ」によって人類は「淘汰」されるかもしれません。残念ながら。