明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

夜の街で「クラスター」発生でも全面解除とは何事ですか!

 一日の感染者数が47人と前日の倍に膨らんだ東京都。それなのに、東京アラートは解除され、さらに19日からは営業自粛を全面解除とする方針です。12日、「ステップ3」に移行されて、パチンコ店や遊園地、ゲームセンターなどの遊技施設のほか、接待を伴わないバーやスナック、カラオケ店など遊興施設の営業も再開され、居酒屋などの飲食店の営業時間はステップ2の午後10時までから午前0時に延長されました。西村大臣も新宿・歌舞伎町のホストクラブでクラスターが発生したにもかかわらず、段階的緩和についての方針に変わりがないとの見解を明らかにしました。

 

 

 「夜の街」の営業も全面解除となる19日以降、果たして、どのような結果が出るのでしょうか。韓国や中国では各地でクラスターが発生する事態となっています。このままでは、日本も諸外国の二の舞となることは目に見えています。これまで国民に「外出自粛」や「人と人との接触削減」などを要請し、私たちは不要浮遊の外出を控えて我慢してきたのに、緊急事態宣言が発令された当時に逆戻りしかねません。こんなことで良いのでしょうか。

 

 

「夜の街」全面解禁のリスク

 

 

 最も三密が起きやすいのが、「夜の街」で営業するキャバクラやホストクラブ、スナックなどです。それ故、そうした業種については、これまで営業の自粛が要請されていました。新型コロナに効果のあるワクチンが開発されたのなら話は別ですが、完成までにはまだしばらくは掛かりそうです。新型コロナウィルスは、決して完全に終息することはないのです。専門家の意見では、インフルエンザのように完全にそのウィルスを根絶させることは出来ないとのこと。たとえワクチンが開発されても、新型コロナウィルスはこの地球上から消滅することはなさそうです。

 

 

 「With コロナ」という言葉があります。完全に消滅させられないとしたら、この新型コロナウィルスと”共存”を図るしかないという意味合いです。しかし、いくらコロナと共存するといっても、いきなり感染リスクの最も高い「夜の街」の業種全般を完全に制限解除するのは、時期尚早でしょう。事実、一日の感染者数は連続して増加しており、冒頭でお話したように14日にはついに47人と前日の倍に急増しています。それにもかかわらず、全面解除するとは一体、国民の健康と命をどう考えているのでしょうか。

 

 

シュールな環境

 

 

 全面解除されても、私たちはコロナと共存していくには、「新しい生活様式」に変えていかなくてはなりません。即ち、飲食店では対面式ではなく横並びに。カラオケは歌い手と2メートルの間隔をあけること。クラブやキャバクラでは、ホステスまたはホストと客との間をアクリル板で仕切り、グラスが触れ合う乾杯やお酌はしない。これらをちゃんと守ったうえで、飛沫を飛ばさないためにマスクを着用して、客との間でソーシャル・ディスタンスを取ることが必要です。何だか、とてもシュールな環境になりそうですね。

 

 

 アフターコロナ時代には、日常生活もこれまでとは一変します。たとえば、恋愛。恋人を作るのはもっぱらネットを通じて。デートは腕を組んだり手を繋いだりはせずに、きちんとソーシャル・ディスタンスをキープする。そして、その先は…。う~む、どうなるのでしょうかねぇ。ウディ・アレンがそんな「新しい恋人たち」の在り方を面白おかしく映像化するかもしれません。

 

 

 ウディ・アレンの比較的初期の作品に『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』という長たらしいタイトルの映画があります。SEXに関するオムニバス形式の作品ですが、最後のエピソード『ミクロの精子圏』(SF映画ミクロの決死圏』のパロディでしょう)では、いざコトに及ぼうとする際に、男性側の体内で性的興奮を感じた脳の司令塔がアレンが扮する精子たちに突撃命令を下して、いざ出撃!となるシーンなど、爆笑場面の連続です。

 少々話が逸れましたが、「新しい生活様式」を実践するカップルの行動は失礼ながら、SF的でなかなかシュールなものになりそうです。

 

 

 三谷幸喜氏がメガホンを取った映画『ギャラクシー街道』でも、宇宙時代の未来のSEXが描かれます。宇宙人の生殖では、男性(遠藤憲一)側が女性とおでこを合わせることで妊娠して、無数のミニ遠憲を産み落とします。娼婦とのSEXは直接的な行為なしにテレパシーで行うのです。これらも今の「新しい生活様式」に照らし合わせれば、理想的といえそうです。いやはや、SFやパロディではなく、アフターコロナ時代の新しい愛の在り方かもしれませんね。

 

 

 国や東京都などが「経済再生」を最優先させることで、「夜の街」のあちこちでクラスターが発生し、新たな感染者が急増するかもしれません。たとえ感染者数が倍増しても、国は緊急事態宣言を発出することをためらうことでしょう。事実、安倍総理や西村大臣ははっきりそうとは言わないまでも、前回のような自粛要請という形はとりにくいとの認識を示しています。

 

 

 三谷幸喜氏が描いたような「未来」が現実のものになるかどうかはさておいて、「With コロナ」時代を無事に過ごせる人々は、新型ウィルスに対する抗体を有していなければなりません。自粛要請が全面的に解除されるにあたり、私たちはその時点から生き残れるか否かに選別されることになるのです。

 

動画配信サービス【TSUTAYA TV】