明日を元気に生きるための「心の処方箋」

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日本の未来は「タイタニック号」になるのか?

 世界中で猛威を奮う「オミクロン株」。「コロナ」優等生だった日本もパンデミックの波から逃れることは出来ません。米軍基地震源説が囁かれる沖縄県は、最初に第6波に飲み込まれました。その後は、あれよあれよという間に日本全土はコロナに席巻され、新規の感染者数が過去最高を更新するのは時間の問題です。

 

 

 昨年の11月、12月の始め頃までは、ようやく新たなコロナ陽性者数が落ち着き、年が改まりいよいよこの2年間のコロナ禍による経済的なダメージから脱却を図る好機到来かと思いきや、さにあらず。第99代内閣総理大臣に就任した岸田氏率いる新内閣にとっては、思わぬ誤算となりました。

 新しい資本主義の構築を提唱する岸田総理としては、いち早くコロナ禍から脱して、経済の立て直しを図るべく算段していたところに、最悪のタイミングでオミクロン株の爆発的感染が起こったのです。分配と成長を促すという総理の構想は、新年早々、出鼻をくじかれた形です。

 

 

困難を極める「舵取り」

 

 

 いやはや、新年早々から岸田キャプテンが舵取りをする「日本国」丸は、「COVID-19」という巨大な障害物に行く手を阻まれそうです。すでに3年目に突入したコロナ禍によって日本経済はさらに疲弊の度合いが深まり、赤字国債に依存せざるを得ない”病的な”財政事情は常態化し、そこにコロナ対策が加算されました。「新たな資本主義」を実現させるために、2022年度の一般会計総額は過去最高の117兆5964億円を計上するに至りました。

 超赤字大国・ニッポン。いつその馬脚を現すとも限らないのです。すべての国民はもはや後戻りのできない日本経済の現状に呆然とするしかありません。

 

 

 このままでは「日本国」丸は早晩「タイタニック号」と同じ運命を辿らないとも限らないのです。

 設計段階に難点があったにもかかわらず、無理やり処女航海に出た大型豪華客船「タイタニック号」。豪奢な船内で優雅な船旅を楽しんでいた人々=日本人。順調な航海だとばかり思っていたのに、ある日突然、目の前の巨大な氷山=新型コロナ・変異株・パンデミックなどの禍、に衝突。

 あとは、映画『タイタニック』の衝撃的な沈没シーンを思い浮かべればいい。ただし決してスペクタクルなどではなく、目を覆いたくなるような悲惨な結末が待ち構えているかもしれないのです。

 

 

 もう二度と新型コロナウィルスの登場する以前のような生活には戻れそうにありません。これからはどこへ行くにも何をするにも「COVID-19」と一緒です。「ウィズコロナ」などという洒落たキャッチコピーは無用。そんなに生易しくはないのですから。

 たとえ「タイタニック号」のような”沈没”こそ免れることが出来たとしても、現実は相当に厳しいものになることでしょう。政府分科会の尾身茂会長が提唱した「新しい生活様式」くらいで驚いている場合ではありません。我々の日常生活から働き方、ひいては社会全体が大きく変革せざるを得ないのです。

 

 

 コロナ禍の私たちが実際に体験している事柄は皆、以前の常識とは大きくかけ離れています。「3密」という言葉が当たり前になり、職場やエンターテインメント、旅行、飲食、等々の在り方が一変しました。とくに資本主義の根幹部分である生産現場、即ち職場の環境は激変しました。コロナ以前には、政府がいくら「働き方改革」を推奨しても、相変わらず経済界は重い腰を上げるまでには至りませんでした。

 ところが、「3密」の実行にはどうしても職場環境の変革が必要不可欠なため、企業は手探りで社員のリモートワークをスタートさせました。もしもこの期に及んでもなおリモートワークへの切り替えが出来ない企業があれば、その会社はもはや完全に今後のウィズコロナ時代を生き残ることは不可能でしょう。

 

 

日本は「タイタニック号」?

 

 

 職場環境を変えるというのは、オフィスをリノベーションすることではないのです。隣のデスクとの距離を離したりアクリル板で仕切るなどしてオフィスのレイアウトを変更したとしても、それはただのリフォームでしかありません。「3密」に「人流」という新たなキーワードが加わりましたが、人流を制限しない限りは現在、急激に拡散中の「オミクロン株」への感染を抑えることは出来ないのです。

 いかにして一ヵ所に社員が集中しないようにするかがポイントなのです。オフィスのリフォームに金を掛ける必要などありません。社員の働き方そのものを根本的に見直すことが肝要です。

 

 

 サラリーマンとして(社畜として?)数十年間働き続けるうちに、気が付けば「定年」が目前に迫っていることに愕然とする。そういう経験をされた方は少なからずいらっしゃることと思われます。筆者もまさにその一人ですが、今現在、20代、30代、40代の現役バリバリの社会人の方々には、これからは昭和・平成時代とはまったく違った働き方になることでしょう。

 

 

 企業の定年延長が義務化され、現在の65歳定年から70歳に引き上げられる模様です。すでに70歳定年を決断した会社もあります。少子高齢化社会の”最先端”に立つ日本の会社員は、破綻寸前の年金制度を何とか維持するためにも死ぬまで働けと、政府から発破を掛けられているのです。そこへ持って来て、「ウィズコロナ」時代の幕開けです。

 リモートワークなどまだ序の口。社会構造そのものが大きく変貌を遂げつつある今日この頃、将来の日本が「タイタニック号」のようにならないことを祈るばかりです。