明日を元気に生きるための「心の処方箋」

頑張り過ぎて疲れたあなた、心を痛めたあなたへ。言葉の癒しを実感して下さい

「連休明けうつ」から救ってくれた「癒しの言葉」

 うつの方にとっては連休明けの朝がとくに辛く感じるものです。スマホのタイマーが鳴っても、出来ればこのまま目が覚めないでほしいなどと絶望的な気分になります。朝だけではありません。前日の夕方から、もうすぐ休みが終わると翌日から会社が始まる、そんな考えが頭から離れず気分は最悪です。誰しも連休明けは体が休みに慣れてしまったせいで結構、きつい思いをするものですが、うつの方の場合にはその度合いがまったく違うのです。時には、もうすべてを投げ出してしまおうと自暴自棄になることさえあります。

 

 

 パートナーやお子さんがそうした精神状態に陥っている時に、あなたはどんな言葉を掛けてよいのかとおろおろするばかり。何も言わずにそっとしてあげるのも一つの方法かもしれませんが、うつの方にはそうもしていられません。では何を話してあげればいいのでしょうか。経験から得られた「連休明けうつ」から救ってくれた癒しの言葉についてお話しようと思います。

 

 

 

「無理しないでね」

 

 

 うつ症状のひとにがんばれという言葉は禁物です。というのは、すでに頑張り過ぎたあまり、うつになってしまったわけで、これ以上頑張りようがないからです。「無理しないでね」と言ってあげてください。「頑張り過ぎないで」というのも同じような意味ですが、”頑張る”という言葉自体に過敏に反応しかねないので、あまりお勧めできません。それよりも「無理しないで」と言われれば、もうこれ以上頑張らなくてもいいんだとふと心が軽くなるものです。

 

 

 連休明けには、またいつもの通勤電車に揺られて会社に行くのかと考えただけで気持ちは沈みがちです。そんなときに優しく労わるように「無理しないでいいよ」と話しかけてくれたら、緊張感が少しずつほぐれていくことでしょう。

 

 

 私もうつに苦しんでいる時に、精神科医からこの言葉をよく投げかけられて、救われました。先生は「無理してはいけませんよ。ゆっくりでいいんです」と話されました。うつの方にとって最難関のひとつである、連休明けの朝です。精神科医の言葉のとおり、無理せずに、ゆっくりと気持ちが落ち着くのを待ちましょう。そして決して無理やり自らに鞭打とうとはなさらないでください。無理は禁物。この言葉も覚えておいてくださいね。

 

 

 

「何もしなくてもいいんだよ」

 

 

 「無理しないで」と並んでこの言葉にも大いに救われました。うつ状態の時には何もやる気が起きないものです。それなのに、無気力な自分を叱り飛ばして、無理やり会社に行って普段どおりに仕事をこなそうとするのは良くありません。却って気持ちがひどく落ち込むことになるからです。そういう精神状態の時には、当然、対人関係もぎくしゃくとした感じになったり、うまく仕事が捗らなかったりします。強いストレス状態を強いられるうちに、うつ病になってしまいます。

 

 

 なかなかベッドから起き上がれずにぐずぐずしていると、つい周りの人がもどかしく思い、「さっさとしなさい」とか「早くしなさい」と言います。それでは、ますます本人にストレスが掛かります。そういう時にこそ、「何もしなくてもいいんだよ」と優しく声を掛けてあげてください。ぐずぐずしている本人が一番自分自身をもどかしく感じているのです。あ~どうしようと頭を抱えている時に、この言葉を聞くとすっと心が楽になります。何もしなくてもいいのかと思えば、無理をせずに自分の出来る範囲のことから始めようという気持ちが起こってくるものです。

 

 

 

 小学生がそろそろ新学期が始まろうとする頃になって、慌てて宿題の残りを片付けようとしても、焦るばかりで一向に捗らないというのに少し似ているかもしれません。何ごとも焦るのは良い結果を生みません。むしろ「何もしなくてもいいよ」と言われると焦る気持ちがなくなって、じっくりと何ごとにも取り組めるようになります。無理をしないこと。焦らないこと。この二つの心がけがとても大切なのです。

 

 

 

「もう月曜は過ぎたよ」

 

 

 月曜日の朝はうつの方にとってはまさに鬼門です。でも当然ですが、毎週、月曜日は必ずやってきます。とても辛い時間です。今年は月曜日が祝日だったり祝日の振り替え休日の三連休が多いですね。9月は二回ありますし、10月と11月にもそれぞれ三連休があります。そして三連休明けがうつの方にとっては普段の月曜日以上に辛く感じるのです。

 

 

 普通ならば、三連休中にどこかへお出かけする予定があったりして、わくわくするところです。でもうつの方には三連休明けの辛さを考えるとさほど嬉しい気持ちにはなれません。皆さんの中にも、辛いながらも何とか連休明けをやり過ごされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

 連休明けの重く沈んだ気持ちを癒してくれるのは、「もう月曜日は過ぎたよ」という言葉です。確かに月曜日は祝日ですから、連休明けは月曜の翌日、火曜日からです。火曜日なら何とか乗り切れるかもしれない、そんな気になりませんか。ウィークデイは残り4日。辛い月曜日を何とかやり過ごしたあなたは、あとは残り4日を過ごせばまた週末になります。そう考えれば、それほど無理しなくてもいいかなという気持ちになります。

 

 

まとめ

 

 

 言葉には癒しの効果があります。傷ついた心にそっと寄り添う優しい言葉。励ましではなく、「無理しないでね」という優しい言葉。「何もしなくてもいいんだよ」と言われた時に感じた安堵感。もしかしたら、「言葉の処方箋」が何よりも効き目があるかもしれませんね。