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「勤労感謝の日」に真に祝福されるべき人々とは

 11月23日は勤労感謝の日です。この日を国民に休日に定めたのは、戦後の日本国憲法で、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨により、私のような会社員は勤務を免れることができる有難い日でもあります。憲法に定められた趣旨に沿うならば、すべての国民が休日の恩恵に与られなければなりません。が、実際には、勤労感謝の日に働いている日本人はたくさんいます。より「国民たがいに感謝しあう」必要があるのではないでしょうか。勤労感謝の日にこそ、休日出勤をする方々やそもそも休日も関係なく働いている方々への感謝を忘れてはなりません。勤労感謝の日について、考えたいと思います。

 

 

五穀豊穣に感謝する日

 

 

 ご承知のように、勤労感謝の日というのは前述のとおり、戦後に制定された休日です。もともとは新嘗祭といい、今年一年の農業の収穫物に感謝するという意味合いがありました。八百万の神に五穀の収穫を感謝するという神事です。その由来は飛鳥時代に遡るといいますから、昔から日本人が大切にしていた特別な日に違いありません。

 

 

 新嘗祭日本国憲法により、勤労感謝の日と名称が変更されたのは、終戦後の日本を占領していたGHQが、神事即ち天皇行事から同日を切り離そうとする意図があったと言われています。でも、そもそも「勤労感謝の日」という名称自体がアバウト過ぎるのではないでしょうか。五穀豊穣を神々に感謝するという新嘗祭の方がよほど農業国・日本には合うと思うのですが、如何でしょうか。

 

 

 休日の名称についてはともかく、せっかくの国民の祝日です。この日に仕事を休めない方には大変に申し訳ないのですが、今年最後の祝日に大いに感謝したいものです。ところで、その日は土曜日ではありませんか。土曜日と祝日が被っても、振り替え休日の対象にならないというのは、どうも釈然としません。

 

 

 中には、祝日に当たる日が土曜に重なると、前日の金曜日に振り替え休日になる企業もあるようです。何とも羨ましい限りです。でも多くの会社では、土曜日が祝日でもそのための振り替えはありません。

 

 

休めない方々に感謝しましょう

 

 

 でも腕組みしてご立腹されるのは、ちょっと待ってください。土曜日だろうと日曜日だろうと祝日とは無縁の方々も大勢いらっしゃいます。大手コンビニチェーンで24時営業に反対する声があがったことがニュースになりましたが、朝9時から夕方5時までの定時で働く方にとって、就業時間後にいつでも営業しているコンビニエンスストアは実に便利です。でもその一方で、24時間営業により夜中に働く方もいらっしゃるわけです。

 

 

 休日についても同様のことが言えます。休日に仕事がお休みになって、お子さんを連れて遊園地や行楽地へ出かけるご家族がいる一方で、休日を満喫される人々をもてなす職種や職業に従事する方々は、休日にはむしろ普段の勤務よりも仕事が増えることさえあります。皆が皆、休めるわけでは決してないのです。遊園地で楽しそうに遊ぶお子さんを眺めながら、あるいは奥様のショッピングに付き合いながらも、そうした方々に思いを馳せましょう。

 

 

 勤労感謝の日がその趣旨の「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」のならば、23日に働いているすべての方々にこそ感謝すべきでしょう。むしろ、休日を楽しむ方々よりも働いていらっしゃる方々のための特別な日であってしかるべきではないでしょうか。

 

 

 でも現実には、コンビニだけではなく、たとえば介護施設や病院などで働く方々の場合、シフト制でお休みを取られているとしても、勤労感謝の日に勤務日が当たる方も多いかと思います。定時で働く会社員は、休日や祝日があって当たり前だと考えていますが、当たり前でない方もたくさんいらっしゃることに思いを巡らせて、そうした勤労者の皆様に感謝の気持ちで接したいものです。

 

 

 平成時代には12月23日が天皇誕生日の祝日でしたが、ご退位されて令和という新元号となった今年は、12月には祝日がなくなりました。それで、11月23日が令和元年最後の祝日となったわけです。その日がたまたま土曜日だからといって、振り替え休日にならないことに不平不満を漏らす向きもあるようですが(お恥ずかしながら、私もその一人です)、それくらいのことで文句を言うべきではありません。土曜日に普通に会社が休業するのですから、それでいいのです。

 

 

 11月23日の勤労感謝の日には、文字通り勤労されているすべての方々へ、心から感謝の気持ちを示しましょう。それでこそ、勤労感謝の日の趣旨に沿うというものです。因みに、介護施設に勤める妻も、23日は出勤日だそうです。個人的に妻にも大いに感謝しなくてはなりますまい。もっともいつも感謝の気持ちを忘れたことはないということも、念のために、申し上げておきます。