「秋うつ」は予防できる！「残暑疲れ」を癒す方法とは - 明日を元気に生きるための「心の処方箋」

　ちょうど今頃の時期になると、体調を崩してしまう方が多いものです。連日の猛暑日で体が弱っているところに、さらに残暑が追い打ちをかけるからです。とくに厳重に注意すべきは、うつの方です。残暑疲れで体調不良を起こして、それが引き金となり、うつを発症する恐れがあります。

　そうならないためには、どうすれば良いのか。残暑の追い打ちで疲弊した心と体を上手にケアすることです。残暑疲れを効率的に癒す方法をいくつかご紹介します。

のんびり入浴でデトックス

　身体の疲労感を癒すのに最も効果的なのは、何といっても入浴です。夏の間はついシャワーでさっと汗を流すだけで済ませていた方も、この時期には、入浴方法を根本的に変える必要があります。

　入浴の効果としては、疲労回復はもちろんのこと、発汗することでデトックス効果が期待できることです。そのためには、烏の行水ではなく、少しぬるめの湯にたっぷりと浸かりましょう。あまり高温の湯だとゆっくりと湯船に浸かっていられないので、体の表面だけは熱くなっても、内臓など体の内部の温度は十分に温まらないのです。

　湯の温度は、出来れば普段よりも１、２度低い設定にするのがお勧めです。大体、39度から40度くらいが目安です。少しぬるいくらいの湯に時間を掛けて浸かっていると、初めは物足りなさを感じていても、そのうち汗が噴き出るようになります。十分に汗が出たと思う頃合いで、湯船から出ましょう。あまり一度に長時間入浴するとのぼせてしまうので、ほどよいところで切り上げてください。

　半身浴はさらに長い時間の入浴が可能になるので、お勧めできます。むろん、湯から上がった後は十分な水分を補給してください。脱水症状になったら大変ですからね。あらかじめ浴室内に水差しを置いていつでも水が飲めるようにするのも良い方法です。入浴の途中で喉が渇いたら、こまめに水分をとるようにしましょう。

　身体の芯まで温まると体中から汗が吹き出します。毛穴が開いてそこから老廃物が流れ出し、デトックス効果は抜群です。風呂上がりにはビールを一杯といきたいところですが、残念ながらアルコール類はぐっとこらえてくださいね。肝心なことは、残暑疲れをとることですから、ミネラルウォーターやスポーツドリンクがベストです。

食事は少なめにしてあっさりしたものを

　食事の採り方もとても大切です。焼肉や揚げ物系はこの際、控えましょう。決してドカ食いしてはいけません。身体がj疲労しているのと同様に内臓も疲弊しているところに、脂っこい食べ物を炭水化物と一緒に大量に摂取すれば、胃が悲鳴をあげてしまいます。疲れた胃を労わるような食べ物を選ぶことが肝心です。

　消化の良い食べ物ならOKです。腰の強いうどんやざるそばなどは消化がよくないので、この時期にはあまりお勧めできません。サラダはさっぱりとして、ビタミンなどの栄養分が豊富ですが、野菜の繊維質はあまり消化がよくありません。生ではなく、温野菜にするといいでしょう。

　私個人の好みもありますが、お勧めしたいのは、湯豆腐です。ご存知のように豆腐は原料の大豆に大量のタンパク質が含まれるため、ステーキを食べなくても十分に栄養が採れるのです。難点を挙げるとすれば、燗酒を一杯やりたくなることでしょうか。胃を労わるための食事ですから、お酒は我慢しましょうね。

好みの音楽に集中する

　前述した入浴法には、もうひとつ大事な効果があります。リラックスすることです。とはいえ、自宅の風呂場は見慣れた場所ですから、あまり気分転換の効果は期待できません。湯に浸かることによって、身体はリラックスしても、心のリラックス効果まではなかなか難しいですね。では、どうすれば良いのか。

　何か好きなことに集中することで気分転換を図るのです。ただし、寝不足がもっとも秋うつを発症する原因になりうるので、睡眠を妨げるようなことはいけません。三度の飯よりもゲームが大好きという人は、きっと寝不足に悩まされていると思います。ゲームのような視神経を痛めつけるものは、避けた方がいいでしょう。脳が眠りモードにすぐに切り替えられるようにしたいものです。

　それには、まず視神経を刺激するようなものは避けましょう。テレビや映画を観るのもあまりお勧めしません。視覚的な情報を脳に入れるのは、この際、避けた方が無難です。そこでお勧めしたいのは、好みの音楽を楽しむことです。それもだらだらと聞き流すのではなく、短時間で集中して楽しむのです。

　音楽に集中するためには多少音量を大きめにして聞く方がいいのですが、近所迷惑になってはいけないので、ヘッドフォンで聞きましょう。これならかなりの音量でも周囲に迷惑をかけることもないので安心です。ではどんな音楽を選べばよいのか。皆さんのお好みの音楽を楽しめばいいのです。

　ストーンズでもジミーヘンドリックスでもドアーズでもいい。（古いですね！）とにかく集中して彼らのCDをしっかり視聴するとかなり疲れます。でもそれがいいのです。ジミヘンのギターに存分に堪能したいう満足感が脳内にあふれて、幸せな気分になります。あとはぐっすり眠るだけです。

　ただし、就寝時間の1時間以上前までには聞き終えるようにしましょう。寝る間際まで聞いていると、却って脳が覚醒してしまい、眠れなくなるから注意してください。

　私なら、エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏するチャイコフスキー、交響曲第5番を選びますね。一糸乱れぬオーケストラの奏でる緊張感あふれる音楽を聴いていると、手に汗握る興奮を味わえます。交響曲を4楽章すべて聞き終えると、良い音楽を聴いたという充足感に満たされます。大満足して、あとはベッドに入ってぐっすりと眠れます。

まとめ

　残暑疲れをきちんと対処しておけば、やがて訪れる秋の冷たい空気も怖くありません。秋は寒暖差が大きい季節なので、呼吸器系の疾患、喘息や気管支炎になりやすいので注意が必要ですが、それまでに心身ともに疲労をすっかりと取り除けば、体調を崩すことも少なくなります。体調面に不安がなくなれば、秋のうつに悩まされずにすむことでしょう。